こんにちは。
アルデブランデンタルクリニック神戸三宮院の院長 釜口です。
歯を失うことは、単に食事を「噛めない」という問題だけではありません。
実は、歯を失うことで全身の健康や生活の質に影響を与え、将来的にさまざまなリスクが高まることがわかっています。
歯の健康を守る為には、日々の効果的な口腔ケアと、定期的に歯科医院で定期検診の受診、この2つがとても重要になります。
今回の記事では、歯を失うことによって生じる可能性のある将来的なリスクと、そのリスクを軽減させるために必要な事について詳しく解説します。
歯を失うと、食べ物をしっかり噛むことが難しくなります。
これにより、以下のような問題が起こりやすくなります。
噛む回数が減ることで、食べ物が十分に細かく砕かれず、消化器官への負担が増加します。その結果、胃腸の不調や栄養吸収の低下につながることがあります。
硬い食べ物(野菜や肉、ナッツ類など)が食べにくくなり、柔らかいものばかりを選ぶようになると、栄養バランスが偏るリスクが高まります。特に、タンパク質やビタミン、ミネラルの不足が懸念されます。
近年の研究では、歯を失うことと認知症の発症リスクには深い関係があることが示唆されています。
噛むことは脳への刺激となり、血流を促進します。
しかし、歯を失うと噛む回数が減少し、脳の働きが低下しやすくなります。これが認知症のリスクを高める要因となるのです。
歯を失うことで、会話や食事が楽しめなくなり、社会との関わりが減少することもあります。社会的な孤立は、認知機能の低下を加速させる要因の一つとされています。
歯が抜けたまま放置すると、顎の骨が徐々に減少していきます。
これにより、以下のような影響が現れます。
歯がなくなることで、顎の骨が痩せてしまい、顔の輪郭が変わることがあります。特に、口元が萎縮してしまい、実年齢よりも老けて見えることがあります。
歯が抜けると、周囲の歯がその隙間を埋めるように移動し、噛み合わせが乱れます。その結果、顎関節症のリスクが高まり、頭痛や肩こりを引き起こすこともあります。
歯を失う原因の多くは歯周病です。
歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けて歯が抜け落ちてしまいますが、同時に歯周病菌が血流に乗って全身に悪影響を及ぼすことがわかっています。
歯周病と糖尿病には双方向の関係があり、歯周病が悪化すると血糖コントロールが難しくなります。逆に、糖尿病が進行すると歯周病も進みやすくなり、歯を失うリスクが高まります。
歯周病菌が血管内に侵入すると、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上昇すると考えられています。歯を失うことで、これらの病気の発症リスクがさらに高まる可能性があります。
歯を失うことは、見た目や機能面だけでなく、心理的な面にも大きな影響を与えます。
歯がないことで、人前で話すことや笑うことに抵抗を感じる人は少なくありません。これがストレスとなり、人間関係や社会活動に消極的になることがあります。
食事を楽しめなくなることで、生活の満足度が下がることがあります。また、発音が不明瞭になり、人と話すことが億劫になるケースもあります。
歯を失うことによって、全身の健康や生活の質にさまざまな悪影響が及ぶ可能性があります。
そのため、以下のような対策を講じることが重要です。
正しい歯磨き習慣を身につけ、フロスやマウスウォッシュを活用する。定期的に歯科検診を受け、歯周病や虫歯を予防する。
虫歯や歯周病の初期段階で治療を受ける。
歯を失った場合は、放置せずに適切な治療(インプラント、ブリッジ、入れ歯など)を選択する。
バランスの取れた食事を心がける。
適度な運動を取り入れ、全身の血流を良くする。
歯は、単に食べ物を噛むためのものではなく、全身の健康や生活の質に大きく関わる重要な器官です。
できるだけ長く自分の歯を健康に保ち、充実した生活を送るために、日々のケアを怠らないようにしましょう。
アルデブランデンタルクリニック神戸三宮院では、歯科検診や歯のクリーニングを随時実施しています。歯の健康を長く維持したい方は、お気軽にご相談ください。
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歯科医師 釜口尚弘