こんにちは。
アルデブランデンタルクリニック神戸三宮院の院長 釜口です。
歯並びを綺麗に整える矯正方法で、セラミック矯正という治療法があるのをご存じでしょうか?
一般的な矯正治療は、ワイヤーやマウスピースを用いて、歯並びを少しずつ動かしていく治療法が一般的です。
セラミック矯正とは、その名のとおりセラミックの被せ物(クラウン)を使用して歯並びを改善する治療法です。
セラミックは白く透明感があり、自然歯のような審美性と機能性がある素材です。
今回はセラミック矯正についてのメリット・デメリット、どのような治療法なのかを解説させて頂きます。
矯正治療を検討されており、セラミック矯正とはどのような治療法か気になっている方の参考になれば幸いです。
セラミック矯正は前述したとおり、審美性・機能性に優れたセラミックの被せ物を使用し歯の見た目を改善する治療です。
具体的には、セラミックの被せ物を装着するために、歯並びの気になる箇所の歯を削り、セラミックの被せ物を装着していきます。
歯並びが気になる箇所の歯が多いほど、セラミックを使用する本数が増えるので費用がかさんでいきます。
一般的なワイヤーやマウスピースを使用した矯正治療は、歯を正常な歯並びに動かしていく治療法なのに対して、セラミック矯正は実際にご自身の歯を動かすわけではありません。
ですので、矯正治療ではなく審美歯科治療に分類されます。
簡潔にいうと、ご自身の歯を削り、セラミックの被せ物を装着する角度などによって歯並びを審美的に改善する治療法がセラミック矯正です。
ワイヤー矯正やインビザラインのマウスピース矯正は歯を少しずつ動かしていくため、治療期間が年単位でかかってきます。
それに対してセラミック矯正は、ご自身の歯を削って被せ物を装着する治療法なので治療期間は短くなります。
個人差はありますが、通常のセラミック矯正だと、1ヶ月~2カ月半ほどで治療が完了するケースが一般的です。
矯正治療中はどうしても装着したワイヤーやマウスピースに、最初は違和感を感じながら生活することになります。
セラミック矯正の場合は、矯正装置を使用しないので矯正治療中の違和感や不快感がありません。
矯正装置を装着しないので、治療中に大きく口あけて笑ったり、会話したりという場面で装置が目立って見た目が良くないという事もありません。
セラミック矯正の1番のデメリットはやはり、自身の健康な歯を削る必要があるので、歯を犠牲にしないといけないという事でしょう。
セラミックはとても優秀な素材ですが、ご自身の自然な歯ほど、機能性を兼ね揃えている歯はありません。
一度、歯を削ってしまうと、どれだけ費用と時間をかけても二度とご自身の歯は戻ってくることはありません。
セラミックは特質上、ご自身の歯を削る量も多くなってしまいます。
歯の見た目を美しくするために、優れたご自身の歯を削るというのは、とてももったいない事だと思われます。
セラミック矯正は矯正治療と違い、あくまでも歯の審美性の改善を目的とした審美歯科治療になります。
そのため、セラミック矯正で前歯部を治療すると、今までの噛み合わせのバランスが崩れ、噛み合わせが悪くなったり、顎に負担がかかり、違和感や痛みを感じるケースもあります。
噛み合わせは前歯と奥歯のバランスで機能しているので、そのバランスが崩れる事による弊害が起こる事があります。
セラミックは一生ものではありません。
もちろん、銀歯や保険適用のレジンなどに比べれば長期的な使用が可能ですが、やはり再治療のリスクがあります。
セラミック矯正で歯を削ったり、歯の神経を取ると、土台となる部分に負荷がかかり、セラミックが寿命を迎えるまでに、土台が機能しなくなるケースもあります。
セラミックは審美性に優れていますが、瞬間的な衝撃に弱く、欠けたりするリスクもあります。
歯医者の立場からいうと、セラミック矯正は短期間で見た目が改善されるというメリットがありますが、健康な歯を削るといった部分が大きなデメリットになると言えるでしょう。
すでに前歯部に被せ物が入っている方には、セラミック矯正をお勧めできますが、長期的な観点からいうと、セラミック矯正より矯正治療が審美性はもちろん、機能性も改善することができるためお勧めできます。
セラミック矯正が気になっている方には、その治療のメリットだけでなく、デメリットをしっかり理解し、ご自身の歯を長期的な観点で考え、治療法を選択することをお勧めします。
神戸三宮の矯正歯科・審美歯科
アルデブランデンタルクリニック神戸三宮院
歯科医師 釜口尚弘