

インビザライン治療では、「クリンチェック」と呼ばれる治療シミュレーションを作成します。
これは単なるデータ確認ではありません。矯正治療の設計図そのものです。
実は、この設計の精度が最終的な仕上がりを大きく左右します。
よく誤解されるのですが、インビザラインは「AIが勝手に最適な歯並びを作ってくれる」わけでは
ありません。
初期のシミュレーションはあくまでたたき台です。
そこから、以下を一つひとつ確認し、
修正していきます。
・歯の傾き
・回転量
・移動距離
・圧下や挺出の量
・スペース閉鎖の順序
・最終咬合の接触点
当院では、クリンチェックの確認・修正に1症例あたり数十分〜1時間以上かけることも
珍しくありません。
歯は28本あります。
その一本一本について、以下を確認します。
「この歯は本当にこの角度でいいのか」「この回転量で無理はないか」「最終的な咬合は安定しているか」
ただ並べるのではなく、どう終わらせるかを設計する作業です。
矯正は動かすことよりも終わらせ方の方が難しい治療です。
少しの傾きの違いが、以下に影響します。
・横顔の印象
・口元の突出感
・ブラックトライアングル
・噛み合わせの安定性
シミュレーション段階で甘い設計をしてしまうと、治療後に違和感が残ることがあります。
ワイヤー矯正はその場で細かい調整ができます。
一方、マウスピース矯正は事前設計の精度が極めて重要です。
だからこそ、以下の判断が必要になります。
・移動量を欲張りすぎない
・無理なトルクをかけない
・最終的な咬合を最優先する
患者様からは見えない工程ですが、実はここが一番時間をかける部分です。
同じインビザラインでも、クリンチェックへの向き合い方で結果は変わります。
装置は同じでも、設計は同じではありません。
インビザラインは非常に優れた治療法です。
しかし、その仕上がりはどれだけ丁寧に設計したかで決まります。
当院では、効率よりも完成度を重視しています。時間をかけて、一歯一歯確認する。
それが、長く安定する矯正につながると考えています。
IPRと遠心移動によって下顎の前歯が骨から露出しない様に動かしてます。




